現場を去る先輩に渡した餞別の話

もくじ

どうも、もじゃです。

客先に出向して働いていて、今のプロジェクトは途中から参画して4か月目になります。作っていたシステムは先日、めでたくリリース(完成&稼働)を迎えました。そういう節目にはメンバーの変更がつきものです。新しく参入する人、そしてプロジェクトを去って別の現場に行く人。これは、そんな出会いと別れのタイミングにあった出来事です。

プロジェクトを抜けるLさん

自分のいるチームからは先月末で、直属の先輩のLさんが抜けることになりました。Lさんはとてもオールマイティに技術力があって、フラットで面倒見のいい方だったので、自分はもちろん、色んな人が頼りにしてました。ゼロからいろいろ作ってしまう人でした。挨拶まわりのとき「Lさんがいなかったら何も生まれてなかった」とすら言われてましたからね。言われてみたい、そんな言葉。

そんなキーパーソンが抜けるわけで、仕事の引継ぎや最後のシゴキなんかもあって、この1か月はなかなかの忙しさでした。

ともあれ、2週間ほど前。Lさんと仲が良くて、よくお昼を一緒に食べに行ったりしていたQさんが、「これまでの感謝として、Lさんに何かしたいですね~」と言い出しました。

Qさんの渡したいもの

もじゃさん、Lさんが月末で現場抜けるじゃないですか。お別れに何かする予定あります?

あー、送別会とかはしたいなーと思ってはいましたけど、今度懇親会あるからいいかな~って

なるほど。実は私、中華鍋を上げようと思ってて。お世話になった人たちでお金を出し合って、餞別にお渡ししたいなと。

………

……

What?

ちゅうかなべ?
あの丸底の、テレビの中華料理の番組とかでたまに見るやつ?
ちょっと待ってくれ、Qさん。なんでそのチョイスなんだい。

Lさん、料理が趣味じゃないですか。自分で弁当作ってくるぐらいだし。で、前に、中華鍋ほしいな~って言ってたので。

なるほどね。でもちょっと考えようじゃないか。贈り物を人に上げるのって、結構リスクがあることだと思うんだ。特に大きいものは、いらなかったら邪魔になるし。
だから、贈り物はお菓子とか結構いいと思うんだ。気に入らなかったら家族や友達にあげられるし。でも、中華鍋はどうなんだろう?ちょっとデカいよね。厨房とかあるような家だったらいいけど、たぶんないでしょ?それに、料理にこだわりがあるなら、もしかしたらLさんは自分で選びたいかもしれない。

というようなことを考えつつ、軽く反抗してみる。

でも、かさばるからね~ 欲しいときは自分で買うんじゃないかな?

いやそれが、Lさん、嫁さんに「場所取るから買っちゃだめ」て言われてるらしくて…

いや待って。その情報すごく大事。それを聞いてなお、中華鍋を上げようと?ハート強すぎるよ!

でも、会社のみんなからもらったって言えば、嫁さんも許してくれると思うんですよね~。昨日聞いてみたら、まだ買ってないって言ってましたし!近くに食器屋があるんで、お昼にみんなで買いに行きましょう!

ダメだ、Qさんは止まらない。下調べもバッチリだ。負けたよ、そこまで言うなら贈ろう。中華鍋を。

そして食器屋へ

そんなわけで、昼休みに僕たちは食器屋に向かいました。

大きさ7段階。柄が太い。
…やっぱり、奥にあるスプーンとかでいいんじゃないかな。

大きさはどれがいいでしょうね?

この、中ぐらいかちょっと小さめのやつがいいんじゃないですかね

と、最後の悪あがきをしてみる。

そうですね…いや、そういえば、チャーハンとかひっくり返すのに大きいサイズがいいってLさん言ってました。2番目ぐらいに大きいやつにしましょう!

…Qさん、あなたすごいよ。まあ、大は小を兼ねるとも言うし、いっか!

中華鍋 for you

僕らは社内に戻りました。
シャレたラッピングなどなかったので、袋から柄だけ飛び出た鉄製中華鍋を手に…

一同「Lさん。今までお世話になりましたということで、これ…」

これは…あーwwwwwwwwwww

フロア中に鍋を見せびらかしに行くLさん。思ったよりだいぶ喜んでおられる!ホッとしました。

ちなみに翌日、タイミングが合わなくて鍋購入組から漏れたチームリーダーからはおたまをもらっていました。きっと今頃、素敵なチャーハンライフを送ってくれていることでしょう。

ごめんQさん、中華鍋はナイスチョイスでした。
ありがとうLさん、お元気で~

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